2016年3月23日水曜日

神保町にて

神保町への用事の帰り、連れもいないし、後の予定も特になかったので、じっくりと回るのは多分十数年ぶりくらいに古書店巡りをすることにしました。


大学受験で初めて一人で東京に来た時、試験もそこそこに真っ先に向かったのがこの古本屋街でした。もっとも、初めての時は神田神保町っていうものだからうっかり神田駅で降りてしまい、迷いに迷って古書店街には辿り着けなかったわけですが…


東京に住んでからは、あちこちに古本屋があるものだからあえて神保町に来ることはあまり無くなりましたが、とっておきの本を探したい時は何遍か古書店巡りをしたものです。


初めてのことは何でもよく覚えているといいますが、最初の古書店巡りで探しまくった映画のパンフレットや雑誌のことは、何をどの棚で探したかまで鮮明なままです。


歴史を学んでいた学生時代は、専攻していたテーマのキーワードを基に、神田に限らず早稲田や住んでいた最寄りの駅近くの古書店、大学図書館で目当ての本を探すのにどれだけ時間を費やしたことか…


元来興味を持ったものにはとことん凝り性になる性分ですので、目に付くものは文字通り片っ端から手を着けていたものです。


だけど、当時は純粋に本探しを楽しむというわけではなくて、ある意味研究のための切迫感が根底にあって漁っていたわけで、研究範囲外の本をじっくりと見る余裕がそんなにあ
ったわけでもないのです。


そんなことを思い出して今回巡ってみたら、仕事もして新しい興味範囲も広がり昔よりも格段に視野が広まった分、本当にたくさんの新しい分野の本との出会いがありました。


とはいえ、神田の古本の相場は、店主の鑑識眼が優れており貴重な本や価値のある本の値段は相応に高いのでおいそれと気軽に買うことはできません。


買えないけど昔は目に入らなかったいい本をたくさん見つけられた、触れることができた。もうそれだけでもいいなって思えるくらい、自分の内面の成長(?)を感じてちょっと嬉しくなった平日の午後でした。