2012年11月27日火曜日

靴の美しさ

靴の美しさに魅了されて何年になりましょうか。

十代でエアジョーダンを初めとするハイテクスニーカーに心奪われ、成人式で奮発して買った革靴(これは修理しながら今でも履いています)で革という素材に惚れ込み、大学生になり上京してデパートや繁華街で見る女性のヒール靴の美しさに胸躍らされてから、それなりの時間が経ちました。

なぜここまで「靴」という造形物にのめり込むことになったか…それは上質な靴が最上の「総合芸術」であるからに他なりません。

優美な曲線と直線の重なりあい、絶妙な色の配分による美術品としての造形、歩く走るという機能を促進するために自然と見に纏う機能美の結晶としての造形、主人の足型や歩き方によって千差万別の表情を見せる生物としての造形…

残念ながら本当に惚れ惚れするくらい素晴らしい靴にお目にかかることは滅多にないのですが、それでも宝物のように大事に履きこまれた靴、芸術作品のような完璧な美を湛える靴を発見できた時の喜びは、十代の頃と変わらず今でも最高の瞬間であります。

ここまで読んで頂き、大げさだな〜と思う人も多いでしょう。そう思う人は↓のキーワードで画像検索してみてください。見てみたけどまあそうでも無いな、と思う人もいるかもしれません。ただ、これらの画像を見て私がなぜここまで靴を愛でるのか理解していただける方が少しでもいらっしゃるのであればこの上ない喜びです。

[キーワード]
"air jordan 11",”Berluti”,"Roger Vivier"

2012年11月26日月曜日

ものとの付き合いかた

ブルックス・ブラザーズのボタンダウンシャツは最もお気に入りの服の一つです。

学生時代に雑誌で紹介されていた写真に憧れ、社会人になってようやく買えた真っ白なシャツ。毎週来ては洗濯を重ねて3年余り…ゴワゴワして余所者のようだった着心地もようやく自分の肌に馴染んでかけがえの無い仲間になったと思った途端、襟が見事に擦り切れてしまったのです。

このまま捨ててしまおうか、大事な思い出として取っておこうかと思案していた折、ふらっと入った近所の仕立屋で事情を話したところ、なんと修理が可能とのこと!

擦り切れた部分はミシン糸で覆ってしまい、さらには襟を裏返しにして縫い付け直すこと
にしました。そして待つこと1周間…仕上がってきたシャツの見事さは本当に感動ものでしたね、これは。

元々厚くて丈夫な生地なので裏返した襟は新品同様にピンと立ち、更にはミシン叩きといわれる破れ修復技術の見事さときたら、日本人の手先の起用さの真髄を見る思いでした。

まずは長く愛用したいと思う上質なものを買う、そして壊れたら修理してみようとする。

単純にこれだけのことですが、最高の気持ちを味わうことができます。

縁あってこのブログをご覧になった方にも是非この気持ちを味わっていただければなあ、と思ってやみません。

http://seiyodo.ocnk.net

2012年11月25日日曜日

ブログのタイトルについて

このブログのタイトル、なんか変ですよね。
店舗名はいかにも日本語なのに、ブログのタイトルに訳分からんフランス語みたいな言葉使ってて変だな〜って思うかたもいらっしゃるでしょう。

タイトルの意味はフランス語で「…の物語(歴史)」という意味です。histoireは「イストワール」と読みますが、この言葉を選択したのは完全に私(管理人)の趣味でして、何よりこの言葉の響き/多義的かつ幻想的なイメージが好きなのであります。

まあ日本語としては「徒然なるままに…」とかにしたほうが良いのでしょうが、あえて外国語にしたのは、国境を超えた自由で幅広い言論空間であることを表現したかったからです。

実際店舗名は「静洋堂」なんて言って純日本風ではありますが、商品の名前は「ラピスブルー」やら「ボニート」で必ずしも日本語であるとか、純和風にこだわっているわけではないのです。もちろん商品の名前にはそれぞれ考えられた意味がありますが、(商品については後々お話します。)制約なく自由な発想でありたいと常に考えています。

なのでブログのタイトルにもその考え方を反映したいと思うのです。

http://seiyodo.ocnk.net