2013年10月28日月曜日

NBAが始まる!

プロ野球も終わり、日本ではそろそろストープリーグの話題ばかりになってきますが、海の向こうアメリカではいよいよプロバスケットボールリーグ、NBAのシーズンが始まります。

マイケル・ジョーダンが現役の頃はNBAの話題は日本のマスコミでも大きく報道されていましたが、当時に比べれば扱いがとても小さくなってしまいました。でも今でも世界的には大変人気のあるプロリーグであることには変わりはなく、アメリカ以外の外国からNBAに参加する選手の増加により、むしろヨーロッパやアジアなどではジョーダンの現役時代である1990年代より人気が向上しています。

以前のブログでも書きましたが、私が最初にNBAに興味を持ったのはバスケットボールシューズ(バッシュ)からでした。正直当時は野球の方が好きでしたので、バスケのことはほとんど知らず、ジャンプで連載していたスラムダンクも週刊誌上でのあまりの展開の遅さにほとんど読み飛ばしていたので(今考えると勿体無いですが…)、NBAって何?っていう感じでした。

でも当時の爆発的なスニーカーブームにはバッチリ影響を受け、もちろん1万円も2万円もするスニーカーを買えるわけでも無いのですが、若者に人気のあったBoonという雑誌を見ては、ここに載っているかっこいいバッシュいつか欲しいなぁ〜と思っていたわけです。そうした中で、ふと雑誌の通販欄で見た”エアジョーダン11”の斬新かつシンプルなデザインや高貴なオーラは、あまり画質も良くない写真ではありましたが、他のどのバッシュとは全然違う別格のものでした。

別にバスケ部でも無かったので、それを履いてプレーをするわけではなかったのですが、バッシュという存在自体の魅力に取り憑かれたため、それ以来リリースされた何百ものバッシュを欠かさずチェックしてきましたが、このシューズ以上の衝撃は未だにありません。

「完璧とは削るものが無くなったときに実現される」という言葉が好きですが、この精神をこれほど体現しているシューズは無い、今でも思います。



多分このバッシュは私服には全然合わない(当時は私服にバッシュを合わせることが流行っていた)し、下手くそな選手が履いても靴の存在感に負けるだけで惨めだろう、と勝手も思い込んでいたため、スニーカーブーム以降に何度も復刻はされましたが、自分で買うことはありませんでした。「ご尊像を拝む」というと大げさですが、その衝撃の瞬間から遠くにありて仰ぎ見る存在になったわけです。

さて、マイケル・ジョーダンの存在を知る前にエアジョーダンというスニーカーの魅力に取り憑かれ、こんな美しいシューズを専用に作ってもらえる選手はどんな人なんだろうと思って深夜のBS放送を見たのがNBAを見始めたきっかけです。

確か初めて見たのは1996年のブルズ対ロケッツ戦だったと記憶しており、細かいことは忘れてしまいましたが、ジョーダンが完全なフリーから決めた2本のダンク(ボースハンドとトマホーク)の衝撃は忘れようがありません。運動能力的には全盛期を過ぎたと言われていましたが、彼の動きやオーラは何もかも他の選手と全てが違っていました。スポーツが芸術であることを初めて納得した瞬間でもありました。





ジョーダンに対する評論それだけで本が何冊も出る程、エピソードや伝説には枚挙に暇がありませんが、YOUTUBEでたまに昔の試合を見ると、どのハイライト集にも取り上げられたことは無いけど信じられないような動きをしているのを発見して驚かされることがあります。彼がプロデビューしたのはもう30年近く昔になるのですが、その当時の映像を見て未だに新鮮な驚きがあるなんて信じられないかもしれないですが本当の話なのです。

本当に優れた音楽、絵画、文学の素晴らしさに時間の壁は存在しませんが、この人物のプレーには芸術を名乗る価値が十二分にあると思っています。

ジョーダン程のレベルでプレーに芸術性を感じさせる選手はまだ現れてはおらず(レブロンやコービーは実績ではジョーダンに迫るものがありますが、プレーの芸術性ではまだ及ばないでしょう)、日本のプロ野球で言えば、例えば王選手のような傑出した人物が現れるのは稀であることは分かっているけれども、時代は進んでおり新しい選手は次々と現れています。

次のジョーダンを探すというわけでもないですが、これから約半年間始まる高揚感は毎年の事ながら堪らないですね。

ちなみにどうでもいいですが、私の贔屓のチームはサンアントニオ・スパーズで、今季の注目選手はクワイ・レナードという選手です。私はこのチームが醸し出すいい意味での武士道精神みたいな雰囲気が堪らなく好きなのです。

この記事でちょっと興味が湧いたのであれば、是非NBAを見てみてください。冬のスポーツ観戦の楽しみが確実に一つ増えること間違い無しです。


2013年10月8日火曜日

歴史の愉しみ〜遺跡に思う〜

学校の授業でひたすら暗記をさせられて本当にうんざりして歴史が嫌いになったという人は、私の知る限りでも大勢います。

しかし、年号や教科書に載っていることが現実のものとして感じられるとき、積み重ねられた歴史に対する驚きや興奮、敬意を感じることができます。

現実のものとして感じるのはどういうときか。例えば実際に歴史的出来事を体験した人から直接話しを聞く、当時の書物や遺物、遺跡を自分の目で見る等あります。

私は学生時代に遺跡の発掘に参加できたという幸運があり、人々が生きた歴史を自分の中で噛みしめるという、普通ではなかなか得難い体験をすることができました。

何の変哲も無い田舎の畑を発掘して、千年前に中国で作られた磁器を見つけた時の感激や興奮は、それから十年以上経った今でも鮮明にはっきりと覚えています。

とはいえ、誰しも気軽に発掘をできるわけでは無いのでこの興奮を共有するのは難しいのですが、例えばどの街にもある神社やお寺でも、あるいは歴史的建造物などに行った際、ちょっと足を止めて掲示されている建物の説明書きを読み、想像してみてください。

戦乱や天災で建物自体は壊れても、大抵の場合寺社仏閣は同じ場所に再建されることがほとんどです。テレビも携帯電話も写真も自動車も無く、和服を着てちょんまげを結んでいた時代の人々と同じ場所に立ち、同じように神様を拝んでいる。
歴史の積み重ねがあり、そして現在があることに対する感謝の気持ちを感じることができる瞬間です。

切り詰められた時間を生きている現代だからこそ、過去の有り様から現在を見つめなおすということも、時に必要なのではないかと思います。

2013年10月7日月曜日

山羊革の理由


今回作った財布はほとんどが山羊の革でできています。
私は最も定番の牛革ももちろん好きなのですが、一風変わったものに惹かれること多いので今回は初めて商品に山羊の革を使ってみることにしました。





この革の特徴は丈夫で柔らかいという実用性もさることながら、加工によって美しい光沢が出せるということが一番の魅力ではないかと思います。
今回この財布を作ってもらった工房で初めてこの革を見たとき、その艶、シボの美しさ、肌触りの良さに思わず一目惚れして即決でこの素材を選びました。

自分の趣味でサンプルやプレゼント用に作品を作るときもなぜか山羊革を選ぶことが多く、やはりもともとこの素材が好きだったんだなあ、としみじみ思う次第です。

2013年10月5日土曜日

赤い財布が出来ました

赤い財布が出来ました。

新しい商品の開発は一人でやっていると、本当にしんどいものがあります。
だからこそやっと完成した時の嬉しさや達成観は何者にも代え難い喜びです。

デザイン、サンプル作り、仕様の決定から、
製造元の職人さんに依頼して製品が出来上がるまでじっくりとこだわり作り上げました。

今回作ってもらった工房の技術は、海外ブランドも含めて私が今まで見てきたどんな製品にも負けないと自負しています。

極めてシンプルではありますが、精緻に作りこまれた工芸品の素晴らしさを是非体験して頂ければと思います。

http://seiyodo.ocnk.net/product/3