2014年12月25日木曜日

門前仲町にて

知り合いから注文を頂いた時、商品を引き渡すときは酒を飲みながら、ということが多いというか、それが飲みに行く理由になっています。

今回は前から気になっていた門前仲町の和食小料理屋に向かったのですが、残念ながら目当ての店は休業…。休みの日ぐらい事前に確認しておけばよかったですが、よくあることなので気を取り直して別のお店へ。

小料理屋に行きたかったので、似たような雰囲気のお店を探してふらりと入ってみたのですが、これが大変良いお店でした。


素朴な味付けの和食ですが、どれもしっかりと旨味があり、それでいて脂っこいとか味が濃すぎるということもなく、胃もたれしない健康的な味わいでした。

お店の佇まいもとても清潔感に溢れ、ガヤガヤと騒がしくもなくついつい長居してしまいたくなる場所です。

値段もチェーン店の居酒屋より若干高いくらいで、その値段でこれだけのものが食べられるのなら大変満足〜、という心持ちです。

門前仲町でもう一回飲むなら、まずは目当てだった「花菱」は行くとして、「東山」にはずっと通いたいなぁと思った天皇誕生日の夜でした。

2014年12月19日金曜日

鮨職人-小野二郎

グルメでもなければ、自分で凝った料理を作るわけでもないのですが、
料理や料理人にまつわる話がとても好きで、料理の本や動画をよく見ます。

ミシュランの三ツ星を維持し続けている「すきやばし次郎」のことは
何度か目や耳にしたことはある、といった程度で詳しいことは知らなかったのですが、
ドキュメンタリー映画化されているという話を聞いたので、
iTunesで映画をレンタルしてみました。




一回の食事が3万円からという高級さばかりが取り立たされることが多いのですが、
この映画でのすきやばし次郎で働く料理人の仕事ぶりや実際の鮨の映像を見ると、
むしろそれでも安いのではないかと思う(と食べたことない人が思い込まされる)ほど、
ただただ素晴らしい職人集団なのです。

この組織を作り上げた小野二郎さんは、
私がいうまでもなく、おそらく一職人としては技量も当代一でしょう。

ただし日本の鮨文化はとても層が厚いので、
二郎さんに肩を並べる程非常に優れた技量を持つ鮨職人は存在するでしょう。
(※高級鮨を実際食べた事無いので全部想像です)

それを踏まえたうえで、
二郎さんが個人的な技量以上に評価されるべきは、
人材育成の手腕では無いかと思うのです。

ミシュランの評価体系は賛否両論ありますが、
それでものれん分けした何人かの弟子たちが、
三ツ星や二ツ星を獲得する程の店(「鮨 水谷」とか「すきやばし次郎 六本木店」)
を構えることができたのも、
弟子に課す修練の濃さや洗練された内容に依るものではないかと思います。

二郎さん自身はかなりのご高齢で、
現役でいられる時間も現実的にはあと僅かですが、
人を残すことができた一流の人物として、
後世まで名を残すことになるのでしょう。

そして個人的にはいつか高級鮨を腹一杯食べてみたいのです。

2014年12月11日木曜日

革の再生〜財布のリプロダクト

革の再生


Vol.1「使い古した財布を名刺入れにしたい」

使い古したイタリアはG社の財布を、
元の財布のパーツの雰囲気を生かして名刺入れに作り直して欲しいとの要望を頂きました。


分解前

二つ折り財布の折り曲げ部分にかなりのダメージがありますが、
さすがにトップメゾンの一角を担うブランドだけあって、使用している素材や作りはやはり上質です。



分解中

糸切りやカッターナイフを使って、慎重に分解します。



再生産

手縫いで縫い直した部分は焦げ茶の糸を使い、アクセントにしています。


元々カード入れとして使われていた箇所を整形して意匠としてデザインに残しました。 

小銭入れだった部分も整形して部品を再利用しました。

裏地も使える革を選り分けて貼付け直しました。



このようなケースの作品の製作は初めてでしたが、
ゴミ箱に行くか、タンスの肥やしになる運命のものが、
再び使われるようになるというのはとても気持ちがいいものですね。

2014年12月5日金曜日

岩手が恋しい

新しい抜き型の注文をするため、浅草に行った帰りぶらりと松屋に入ってみたら、岩手の物産展がやっていました。

岩手には学生時代に発掘のために毎年平泉に行ったり、社会人になってからも数年に一回位は用事や旅行などで訪れる機会のあるなど、私にとっては縁が深い場所です。

売店のおじさんと岩手のことをあれこれ話していたら、懐かしい気持ちがこみ上げてきました。

平泉の夏合宿、炎天下の中、毎日土を掘り返して大汗をかいたこと、仕事終わりに飲む一杯のビールの美味しさのこと、盛岡で冷麺食べたり小岩井農場に行ったこと、友人の家に泊まったこと…


岩手でのたくさんの思い出をふと思い出すと、恋しくなってきます。
ぶらりとこの冬に行ってみようかな〜





 

2014年11月29日土曜日

伝え方

最近よく読むブログがあります。

檜垣裕志(ひがきゆうし)のサッカーブログ 今日もコーチング日和

ブログを書かれている檜垣さんという方は、ブラジルでの選手経験もある、プロのサッカー指導者で主に基礎技術の教え方に定評があるそうです。

サッカーについては全くの門外漢でして、今年の夏に暇しているときに、ふとリフティングでもやってみようかと思い、練習方法をネットであれこれ調べているときにたまたま見つけました。

結論からいうと、いい練習方法がわかったからといってすぐにうまくなれるほど、甘くは無く、別に私自身の技量がすごく向上したわけでは無いのですが、、、

とはいえ、なぜこのブログを今でもよく読み、ここで紹介する気になったかというと、内容もさることながら、情報発信の手法としてこのブログが非常に優れていると思っているからです。

内容の詳細はリンク先の記事を何日分か読んで頂ければ一目瞭然と思いますが、何より優れていると思うのが、何日分かの記事を読むだけで、檜垣さんが一番伝えたいことが一目瞭然になること。さらに読めば読むほど、記事の意図がシンプルにすっと心の中に入り込んでくるのです。

要するに、視点を変えて色々な記事を書かれていますが、伝える内容はほとんど同じです。内容が同じとはいえ、それは絶対にぶれが無い教義のようなものですから、本質的であり飽きることはありません。

内容はシンプルでも、それが真理をつくものであったり、本質的であれば何回同じことを伝えられようとそれが色褪せることはありません。聖書とかお経みたいなものでしょうか。

どうすれば、人の心に届くような伝え方ができるかということを考える点で、このブログは非常に参考になるのではないかと思います。


2014年11月28日金曜日

車のミライ

普段は車のこととかほとんど興味の外にあるのですが、(とはいえ、運転が下手なくせに実はポルシェとがブガッティ・ヴェイロンとか一度は乗ってみたかっったりします)、トヨタの発売する水素エンジンの車の話題には珍しく興味を持ちました。

トヨタといえば日本を代表するという言葉が真っ先にくる大企業中の大企業ですが、プリウスしかり、今回のミライしかり本当の意味で自動車業界の未来を先頭走って引っ張っているのを見て、日本人として誇らしく思う気持ちがあります。中途半端な大企業は大企業病の実例を間近でみた経験があるせいであまり好きではないのですが、トヨタクラスの突き抜けた大企業は、事業の姿勢や実績、マネジメント等、やはり誰が見ても一流であると思います。

アルファロメオみたいなセクシーな車が水素エンジン車で出たら、迷わず買うことにします。買えたら、ですけどね。

2014年11月26日水曜日

静洋堂のものづくりのこころ

日々の習慣や行動はもちろんのこと、大げさに言えば、なにを選ぶかによって人格が形成されるという一面があると思いますが、私達は以下のような考えかたで製品を作り、販売をしています。

デザインと料理というのは根源は同じものであると考えています。 料理の心にも通じますが、本来の素材が良ければ良いほど、味付けに頼る必要もなく、手を加える必要も減ってきます。モノづくりのこころもそれと同じで、厳選された素材と考えぬかれたデザインが本当によければ、素材の粗を隠す加工をすることも無ければ、余計な装飾もいらないはずです。

本来求められる機能を充足させることだけを考えれば、鞄にしろ財布にしろスッキリとした佇まいであるほうが美しく、また生活を向上させることもできると考えます。財布を例に取ると、あまり使わないカードを何十枚も持ち歩くより、厳選された少数のカードで身軽に動いたほうが、実はお金の管理もしやすく、特定の店のカードポイントに振り回されて無駄な買い物をすることも無いわけです。小銭入れもカードケースも余分と思われる収納スペースを一切配置していません。普段使わない箇所にうっかり入れてしまったものは、後で見つけることが難しくなります。

要望に応えて足し込んでいくのは実に簡単です。反対に本質的な機能を損なわず、むしろ向上させるために機能を削ぎ落としてゆくことは大変難しいのです。だからこそチャレンジします。

2014年11月21日金曜日

歴史哲学のおもしろさ

「歴史哲学」と聞いて胸が熱くなる人は歴史オタクのなかでも、かなりの少数派であるこは知っています。

私は大学院まで歴史の勉強をしていましたが、歴史の大きな流れの中に思念や思想を読み取るという歴史哲学の視点は、勉強をしていた当時ですら、もはや時代遅れか、それとも個人の手には負えない邪道のような扱いを受けていたことをはっきりと覚えています。

確かに和辻哲郎の『風土』に書かれた環境決定論だの、トインビーの循環史観だの、根拠の曖昧さときたら学生レベルでもわかるほど突っ込みどころの方が多いのですが、思考のシュミレーション方法として、一つの事象に対して解釈次第でいくらでも捉え方が変わるということ、発想の雄大さに大いに感銘を受けたものです。

一方で、近代歴史学の主流となっているのは、
一つ一つの歴史的事象の確実性を、残された物証から念入りに実証的に検証していく立場を重視するものです。資料調査の科学的手法も発達し、また統計学など他学問の成果なども取り込み、先行研究の蓄積も相当たまってきましたから、歴史学が明らかにできるミクロな事象の範囲は年々広がっているといえるでしょう。

それはそれでいいのですが、細かい事象に囚われすぎて、個々の研究が重箱の隅をつつくような視野狭窄に陥っているとの批判がある(あった)ことも事実です。

そんなことを鑑みつつ、20世紀前半までの歴史学者や哲学者は、今に比べて実におおらかにスケールの大きな言説を自由気ままに発表していました。当時は歴史事実についての情報が圧倒的に少なかったから、逆に限定的な情報の中で色々なシュミレーションを自在に張り巡らすことができたのでしょう。現代の歴史研究者の多くは、直感的なひらめきがあっても事実の裏付けだけでヘタすれば数年を費やすことになります。

歴史学が産んだスケールの大きな発想、
例えば唯物史観とか皇国史観とか歴史修正主義だの、普段は全然気に留めていないかもしれませんが、これらは良きにつけ悪しきにつけ、時として恐ろしいほど身の回りの生活を変えます。

■唯物史観→社会主義国家建設の思想的根拠
■皇国史観→日本におけるいわゆる戦前の全体主義体制の思想的根拠
■歴史修正主義→現代のネット右翼が主張する言説?の思想的根拠

上記のように、かつて「歴史」という学問には、世の中の生活までも変えてしまうくらいの思想的インパクトがあったことがあり、現代においてわかりやすい例でいうと、嫌韓・嫌中の思潮の根幹にはやはり歴史学の成果があるのです。

歴史研究を生活の糧にすることが出来た少数の恵まれた人々には是非、人生の大仕事のつもりで数年を歴史哲学の研究に費やして欲しいなあ、と思います。スケールの大きさゆえ、それこそ揚げ足をとる批判の嵐は免れようもありませんが、その仕事の価値は批判が大分収まった後世になってやっと分かってきます。

冒険心を持った研究者による、歴女とか歴オタを本当の意味で歴史好きにしてくれるような素敵な歴史哲学の著書が、専門書コーナーの片隅ではなく、いつか本屋の店頭に平積みで並んでくれればいいな〜。

2014年11月15日土曜日

アパレルの多様性

冬も近づくと、私は何かにつけてタートルネックを着ます。
もう何年もそんなことをしているので、私の冬の格好はタートルネックしかないように言われることもあります。

まあ、もちろんそんなことは無いのですが、汎用性もさることながら機能性やスタイリングの点でも、良い仕立てのタートルネックは着ていて最高に気持ち良いものです。

ただ、最近はネック部分の折り返しに気を取られるのが面倒で、タートルネックよりもハイネックのものを着ることが多いのですが、まあこのハイネックの場合、特にセーターでは最近は中々商品が無いので困るのです。出せばそこそこ売れると思うのになぁと思いつつ、最近のアパレル市場のように、マーケティングの技術が進み過ぎると同じようなものしか市場に出まわらなくなるのがつまらないですね。

例えば、百貨店のシャツ売り場に行けば、それこそ何百種類のシャツが置かれていますが、襟の形は大体レギュラーカラーかボタンダウンくらいのものです。ノータイのクールビスなら、スタンドカラーのシャツでボタンを開けたスタイルは快適ですし、ちゃんとネクタイ締めるときはタブカラーとかピンホールカラーとかのシャツはとても様になるものです。

最近ではちょっと変わった形の服を買おうと思うと、すぐにオーダーメードになってしまうのが、寂しい限りです。




一年経ち…

赤い色ということで、あまり手にとって貰う機会は無いのですが、個人的にはもの凄く気に入っているこの財布。
作成から一年経ちましたが、なかなかいい風合いに育ってきましたよ〜。



2014年11月7日金曜日

刃物の思い出

刃物を砥石で研ぐ時、子供のころの思い出をよく思い出します。

私の家系は親戚に大工さんや建築の設計士が多く、祖父も大工の棟梁をしていました。実家のすぐ近くには木材を加工する祖父の作業場があり、小さい頃はよくそこでノコギリだのカンナだのトンカチだの使って木と遊んでいました。

祖父母は兼業で農家もやっていましたから、間近で鎌や鍬を砥石で研いで手入れをしている姿を見て、私も真似事で鎌だの包丁を研ぐことを覚えました。

良く研がれたカンナで木を削った時のかつお節みたいなきれいな木片のこと、ノコギリで木を切るときの腰の入れ方、木を切った後に出るオガクズの匂い、研ぎたての刃物の刃紋の美しさ…

そのときからもう20年以上経ちますが、今でもはっきりと思い出すことができます。

子供の頃から刃物に親しみ、カッターやらナタで何度も大怪我しましたから、大人になってからは不注意で手を切ったりしたことは一度もありません。

そう考えると、子供の頃に怖がらずキチンと刃物に向き合うようにすることは大事かもしれませんね。

また、良い包丁と出会うと料理が格段に楽しくなります。
特に日本料理に関しては、基本は包丁から始まります。

高級なブランド食器より、ハイテク鍋よりも「まずは良い包丁から」でいきましょう!

…料理で使うなら、切れ味の良さ、使いやすさ、手入れのしやすさからいって、「グローバル包丁」の牛刀が断然お勧めです。デザインも良いですしね。砥石で研ぐのが面倒な方は専用のシャーブナーの購入も忘れずに!

このシャーブナーもなかなかの優れもので、ビクトリノックスのナイフや裁ちばさみの刃もこれで研いでいますが、たった数回刃を滑らせるだけで、みるみる切れ味が回復します。ぜひお試しあれ。

つくりたいもの

自分の手で革のモノづくりを始めて、もう4年くらい経ちました。

学生時代は絵を描いたり自分でTシャツやジーンズにペイントをして遊んだりしていましたが、サラリーマンになってからは、忙しいこともあってしばらくそういった楽しみを忘れていました。

ふとしたことで東急ハンズの売り場で見かけた初心者用の革工芸のセットを買ったことが、この世界に入ったきっかけでした。「用の美」ではないですが、いかに美しさを実用性の制約の中で表現できるか考え、あれこれ試行錯誤する喜びは中々代え難いものがあります。

もちろん楽しい事ばかりではなく、挫折や失敗もたくさんありますが、それにしてもこの仕事は自分に合っているなあ、と深く考える今日この頃です。

アップの写真で撮っても恥じない作品を作ることが課題ですが、↓の写真はアップに耐えてくれるかな〜と願って掲載しました。どうでしょう?





2014年10月30日木曜日

最高の鞄

浅草の工房に発注した抜き型を受け取った帰り道、入場料無料というキーワードにつられて、ふらりと世界のカバン博物館に入ってみました。

無料ということで大して期待してなかったのですが、入ってみたらあらビックリで大変素晴らしい展示物の数々に大いに魅了され、しばし時を忘れて見入ってしまいました。

展示されているほとんどは、鞄が上流階級の仕立て品として作られていた50年以上前のものが大半でした。経年変化でボロボロになってしまったものもありましたが、特にイタリアやフランスで作られた鞄の作り、保存状態の良さには心底驚きましたね〜。高級鞄メーカーとして有名なヴァレクストラ(Valextra)のヴィンテージ物も展示されていましたが、はっきり言って今デパートに並んでいるものとは全くの別物です。

↓の画像の旅行鞄は60年程昔にイタリアで作られたものです。手縫いを随所に使った仕立ての見事さはもちろんのことですが、なにより革そのものの素材感、発色、艶はおそらく世界最高級でしょう。触ることはできませんでしたが、ガラス越しに見るだけでハッキリと伝わってきます。



話には聞いていましたが、熟練の職人(もちろん工賃は高い!)によって、じっくりと時間を掛けて(ものによっては一つの鞄を作るのに一ヶ月以上かかることもある!)作りこまれたオーダメイド品以上に品質の良いものは出来ないのだということが残念ながら分かってしまいました。商業化が進んだ近年の作品がほとんど無かったことからも出展者の意図が伝わってきます。

ただし、いつまでもノスタルジーに浸ることは出来ません。いくら作りが良いといっても上質な鞄が王侯貴族や上流階級しか買えないような状況はやはり不自然であるように思います。

芸術品はそれとして鑑賞するとして、昔より品質は劣るにしても、誰もが比較的高品質の鞄が手軽に買えるようになった現代の方がやはり良いのです。
今の状況を嘆くことより、この時代にあった最高のモノづくりを考えぬいてやっていく以外無いのではないか、と改めて思いました。

新商品が届きました!

秋の紅葉に着想を得て、鮮やかな色合いのコインケースを作りました。
限りなくシンプルなフォルムながら、高品質な素材をふんだんに使用し全て手縫いで丁寧に仕上げてあります。

是非手にとってお試し頂ければと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。





2014年10月15日水曜日

小銭入れを作ってみました!!

友人に頼まれて、小銭入れを作ってみました。

表と裏に使っている赤い革は栃木レザーという日本のタンナーで作っているものですが、色艶、触感ともに非常に高品質で知らず知らずつい何回も使ってしまう、
非常に頼りになる奴なのです。

裏地に使ったキャンバス地は吉祥寺をぶらついている時にたまたま発見した、
レ・トワール・デュ・ソレイユ(LES TOILES DU SOLEIL)というお店で買ったものなのですが、これ本当に最高です。しっかりとした生地の厚み、なによりこれぞフランスという趣きの溌剌とした発色がもうたまりませんね〜。

いい素材を料理人が捌ききれているかどうかは友人の判断に任せるとして(笑)、
多少値段が高くても品質のいいものに触れるのは、作り手にとっても何者にも代え難い至福のときなのです。

P.S
もう少しうまく写真撮っておけば良かったと少し後悔…
手元にものがないからしょうがないですけど、
この下手くそな写真からでも、この革の素晴らしい光沢は
十分に感じて頂けるのではないでしょうか。







2014年9月10日水曜日

遺すこと

考え方からすると、どちらかというと急進的で古い慣習やしきたりなどは御免こうむる種類の人間ではであるが、愛着を感じる光景といえば、使い古した道具であったり鄙びた町並み、風雪を重ねた寺社仏閣の佇まいであることの方が多い。特別扱いされることも無く、人々の生活に溶け込んで自然と時間を重ねて生き残った遺物に対峙すると、敬意に似た特別な気持ちが湧いてくる。
 集落で大事に修繕されながら守られ、素朴ながらもお供え物が絶えない祠や石像を拝見する度に、用の美、あるいは生きている古さこそ美の本質であると強く感じる。もちろん伝統的だとか由緒あるから盲目的に良いと言っているわけではなく、時勢の波や新しい考え方を柔軟に取り入れて変化もしつつ、一本芯の通ったものが良いものが良いと言っているのである。

 補助金無しで立ち行かなくなってしまったものや、伝統にあぐらをかいて排他的になってしまったものは、むしろ一旦循環されるべきではないかとも思う。新しいものを創造するために全てを破壊するのではなく、伝統を保持するという意識だけが先行して死に体になったものを無理やり残すでもない。旧きを知りつつ新しきを識るというごく自然の流れの中に良い物を遺してゆける美意識を多くの人が持つことができれば、文化はより豊かなものになってゆくと思う。



豊かさにについて

 人の歴史というのは端的に言ってしまえば各々の「豊かさ」追求の過程であるといっても過言ではありません。「豊かさ」の定義とは人それぞれですが、モノを得る、利用する、食べるといった物質的な充足とそれに続く精神的な充実感は表裏一体です。衣食住に関わることはもちろんのこと、旅行やサービスにしろ、良いモノ(高いもの、という意味ではない)を介した方が充実感は高い場合が多いことは誰しもが感じるところです。

 ただ、戦災や天災による例外はあるにせよ、単純に不足を補う意味で物質的な欲求を満たすことが昔に比べて困難ではなくなった今日は、昔よりいっそう本当の豊かさとはなにかということに対して自省的または対外的にも問われる時代であるといえます。例えば、「豊かさ」追求の代償としておびただしく破壊されてしまった地球環境の問題はもはやどんな立場にいる一人一人がそれぞれ自覚をしなければならない課題となりました。

 消費しまくり捨てまくる「豊かさ」の空虚さがいかに惨めなものであるかは日本人の多くの人は気づいてきましたが、エコやらロハスといった一時的なキーワードに囚われない、真の意味でより進んだ「豊かさ」を提供出来ればと考えモノづくりに励んでいます。お客様に本当に気に入った物だけ買ってもらうこと、それを長く愛し続けてもらうこと、これが私達の願いです。


 流行に乗っただけの安価なものではなく、壊れず飽きず何年も使って頂ける商品のみ作ります。素っ気ないようでありながら、気づけばいつも傍らにある、そんな製品をお届けしたいといつも考えています。

2014年9月2日火曜日

販売サイトの模様替えをしました!

販売サイトのデザイン見直しを行い、ものすごくシンプルな味付けで模様替えを行いました。清々しいまでの白さをご覧頂ければと思いますので、ご愛顧の程宜しくお願いします。

http://seiyodo.ocnk.net

2014年8月27日水曜日

秋田の空

空広く、雲豊かに流れ、一面の田んぼが広がるこの景色の美しさ!
夏は夜、などと昔から言われてきましたが、昼も夕も格別ですね。




立石寺 峯の浦

立石寺観光の裏順路にして、最高の散策路

峯の裏本院跡
発掘現場と聞くとゾクゾクする〜




道中にある奇岩から集落を見下ろす
切り立つような断崖絶壁に恐怖

修験道の道
程良く整備されて至極快適

垂水不動尊
最近はいわゆるパワースポットとして注目されているとのこと


帰り道
ミニマリストの踏切

2014年8月21日木曜日

ざる蕎麦

器が食事を盛りたてるとはよく言いますが、例えコンビニで買ってきた安い蕎麦であっても、それなりのざると蕎麦猪口で食べれば気分は上がるものです。

ざるは地元の駅でやっていた物産展で買ったものですが、未だに竹の香りが香ばしく、これからの経年変化が楽しみです。

蕎麦猪口は母校の学園祭で陶芸部の方が作ったものを100円で買ったのですが、大量生産品と違って、一人一人が工夫を重ねて一所懸命作ったことがよく分かり、とても気に入っている逸品なのです。




2014年8月19日火曜日

思い出のキーケース

知人に頼まれ久しぶりに手縫いでキーケースを作りました。
趣味で作り始めた当初に起こした型紙を何年か振りに引っ張り出しての製作でしたが、
当時のことをあれこれ思い出してなかなか楽しい一時でした。





2014年8月7日木曜日

トトロの森

埼玉は狭山市のトトロの森と呼ばれている雑木林に行ってきました。

平日かつとてつもない猛暑ということもあり、人っ子一人いない林の中、虫と鳥の鳴き声しか聞こえない空間での散策はそれはそれはとても贅沢なものでした。

帰り道の神社で話し掛けられたおじいさんと、浅草の赤線の話で大いに盛り上がったのも良き思い出です。