2015年3月25日水曜日

忠臣蔵が苦手

『忠臣蔵』のドラマを見るたびに、つくづくこれは身分制社会の不条理をギトギトに凝縮した内容だなぁと感じます。

江戸時代の人々の考え方にダメ出しをしても全く意味無いとはわかりつつ、これが現代でも繰り返し繰り返しドラマや劇で美談として上演されることについては、なにか違和感を感じざるをえません。

「主君と臣下」という関係性が絶対的な隷属関係として扱われる例は、現代世界でも至るところに見られる現象ですが、この関係性の不自然さを物語の中ではっきり体現しているのが『忠臣蔵』だと思います。

下克上が当たり前の世の中で、「忠義」という価値観が尊重され赤穂浪士の事件を美談とした当時の心情は理解出来ますが、やはりこれも身分制社会の価値観を肯定せざるを得ない江戸時代の庶民の心持ちがあってことだと思います。

現代にいるのに、江戸時代の感覚でいつまでも美談として扱っていいものかと考えるわけです。

個人的には下克上の物語のほうがよっぽどいい意味で人間的で共感出来ます。

多少過激な言い方かもしれませんが、暴走した主君の敵討という名目で人の命を奪った上に、四十数人の命が自発的に絶たれたという異常な現象を、「忠義」だなんだと祭り上げる風潮は、いい加減もう辞めた方がいいと思う、という天邪鬼の独り言でした〜!


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